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2021.07.16

ピアノくん

変な名前である。
形が、鍵盤を思い出させるようで、ピアノくんとなったらしい。


肋骨の隙間にはめて、肋骨の崩れを防ぐ物である。
体は、弱い力でもかけ続けているとだんだん骨が変形してしまう。
同じように、忍者アナトミーも、肩甲骨に使っている磁石のせいで、だんだん、と肋骨同志の距離を縮めてしまい、肋骨の形が変わってしまう。

素材が柔らかいことが原因なのだが、
肋骨の柔らかさを表現するために、致し方ない面もある。

実際には、肋軟骨の柔らかさが、肋骨の柔軟性を出していると推測している。
次に、アップデートされる新しいモデルはこの肋軟骨の柔らかさを表現できるモデルにしたいと思っている。

肋骨の崩れを防ぐために、今のピアノくんは、隙間が安定している背骨近くに入れることを想定して採寸した。
これにより、崩れを防止する効果はあるのだが、形状が真っ直ぐなために、すぐに外れてしまう。

収納するときに外れてしまい、入れ直してもらったり、外れてなくなってしまうために、継続して利用をしていただけなかった。
結果的に、肋骨の崩れにつながってしまっていた。

現場で、お客様と接しているスタッフは、もっと入れやすく、外れにくく、無くさないで、持ってたいと思うようなものを作れなどと、勝手なことをいう。

私は、歳をとって少し利口になってしまったので、「入れやすいものは、外れやすいのは当たり前だろ」なんてことは思っても口に出さない。

崩れた肋骨にも入れやすくしてほしい。
「崩れて、隙間が無くなったところに物を入れるためには、肋骨を広げながら入れないといけないので、すんなり入るわけないだろ」
なんてことも決して口に出さない。

さて、どうしたものか?

まず、肋骨の背骨に近いとことではなく、外側につけて欲しいという要望に応えることにして、外側付近につけるように寸法を測っていった。

肋骨の丸みに合わせて、形も湾曲した形にした。

櫛のような根元の間隔を入り口の幅より、少し広げることにより、入れた後に落ちにくく、櫛の歯の部分の方向を変えることで、外れにくくできるのではと思って、図を書いてみた。

入れやすく、型崩れを防止するという命題のために、各櫛の部分の長さを調整した。

材質は、最初は、MDFというちょっと木材のような質感の物を使ってみた。
見た目や触り心地は良いのだが、レーザーで切り出すために、切り口が焦げてしまう。
その焦げが、模型に移ってしまい茶色の跡がついてしまうのが、不評であった。

以前のピアノくんは、アクリル板から切り出している。ちょっと温かみがないのが欠点だった。

次に、アクリルより、少し柔らかい感触の、ポリアセタール、俗にいうジュラコンというもので切り出してみた。

潤滑剤が塗ってあるような手触りで、少し柔らかみがある。

しかし、材質が硬いのは否めなくて、やはり評価はあまりよくない。

隙間や形状の保持の能力は落ちるのだが、実際の現場で使うのは、もっと柔らかい素材がいいとの要望を受け、スポンジ系のものを試した。

ウレタン系のものは、レーザーカッターで切り出すと、溶けてしまったり、燃えてしまいうまくいかない。
最終的に、耐熱性で、柔らかな発泡材の、EVAフォームで切り出してみた。

レーザーのパワーや、スピードを変えながら、やってみて、一番焦げ臭い匂いのない組み合わせを探してみた。
ちょっと焦げ臭い匂いが、病みつきになると思う。

これから、現場で使ってもらってフィードバックをもらい、形や材質を改良して、どんどん、使いやすいものにしていきたいと思っているので、どんどん、フィードバックくださいね。

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