私が今まで見た人骨模型では、膝蓋骨は、大腿骨に接着されているものだった。
膝蓋骨の滑って回転する動きを再現するのは難しいと思い込んでいた。
しかし、真っ直ぐに立った姿勢の時は、気にならいのだが、膝を曲げ伸ばしすると、膝蓋骨の位置がとても変で気になってしまう。
はっきり言って、カッコ悪い。
頭の中で、膝の曲げ伸ばしの時の膝蓋骨の動きを繰り返し、繰り返し、イメージしてみる。
とにかく、何かを考えようとするのではなく、ただイメージして、何かが湧いてくることを待っているのが、アイデアを出すときのコツのような気がする。
何かを考えよう、なんとかしようとすればするほど、陳腐な案しか浮かばなくなる。
寝る前、歩きながらとかで、膝の動きを頭の中で繰り返し想像を続けていると、
リラックスした時に、ふっと、こうすればいいよなって浮かんでくる。
最初は、こんな感じの構造を考えた。
すぐに試作品を作って試してみる。
曲げ伸ばしをしながら、上下に手で引っ張って感触を確かめていく。
膝蓋骨が固定されている時よりはるかに良い動きをするように思える。
ある程度、感覚が掴めたところで、
実際に使うようなバネを使用した構造の試作をして、バネの張力を何種類か試して、仕様を決めていく。
秋東精工さんとともに最終プロトタイプの試作品を作り、みんなで感触を確かめて、金型制作をGoとした。
バネの仕様も決めていった。
金型からできたモデルで、試作品を組んでみる。
う〜〜ん、なんか違う。
気持ち良くないのだ。
スムースに動かないし、動きに安定感がない。
また、動きのイメージの繰り返しが始まる。
何が気持ち悪いのか考えると、
脚の動きは回転しているのに比べ、膝蓋骨は直線的な動きとなっている。
ともに、同じように回転させるためには???
なんておもいながら、頭の中で、膝の屈伸を繰り返す。
次に浮かんだのが、この案。
膝蓋骨の両側を、伸縮性のある素材で膝蓋骨の側面と大腿骨の側面を繋ぐ。
これは、ハマった。
動きの感じもいいし、とにかく収まりが良い。
しかし、単純なシステムなので、ちょっとした接合点の位置の変化で、膝蓋骨の動きがひどい動きになってしまう。
いろいろな接合点の位置を試して行った。
相当、材料を無駄にしたおかげで、ちょうどいい動きの感じになる点を見つけることができた。
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Ninja Anatomy Japan 公式コメント
膝関節や膝蓋骨の動きに関しては、多くの治療家・インストラクターの皆さんにご意見をいただきました。
とりわけ、山本尚司さん(一般社団法人 フィジオ運動連鎖アプローチ協会代表・理学療法士)には数十回に渡りアドバイスをいただきました。どうもありがとうございました。
もちろん、動きに関しての責任はNinja Anatomyにあります。ご利用いただいての感想・ご意見はどうぞ遠慮なく教えてください。よりいい製品を作りアップデートさせていただきます。